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二次創作まとめ

ゼノブレイド3 感想まとめ

 

こんにちは、みずどりです。

Twitterの方で日々うるさく実況していますが、2022年7月末に発売したゼノブレイド3に死ぬほどハマっています。

先日2週目をクリアしたので、これを機にレビューを書いていこうと思います。

まずは私が感じたこのゲームの大まかな感想、キャラクターに対する愛を書きなぐっていきます。

普段は小説を書いている身ではありますが、自分の思ったことを文章化することにはあまり慣れていないので読みにくい部分も多いと思いますがご了承ください。

 

 

 

 

 

私とゼノブレイド

私がゼノブレイドシリーズを初めてプレイしたのは高校生の頃、Wiiで発売された1がゼノブレイドシリーズとの出会いでした。

もうとにかく楽しかった。広大なフィールド、癖になる戦闘システム、熱いBGM、奇抜な世界観、硬派なストーリー、そして魅力的なキャラクター。

そのすべてがツボで、寝る間も惜しんで夢中でプレイしたのは今でも覚えています。

 

 

時が経ち、2が発売されたのは確か大学生になったころだったと思います。

当時ゲームから長らく離れていた私はswitchを持っておらず、ちゃんと2をプレイできたのは社会人になってからでした。

こちらもとにかく面白かった。戦闘システムも1以上に作り込まれており、キャラクターもストーリーもBGMも1に負けないくらい魅力的。

ただ、1の頃にはあまり感じなかったちょっと性的なキャラデザやちょっと昔の深夜アニメのようなノリがちょっとなぁ…。と眉を潜めるポイントもありました。

これが前提です。

 

 

そして満を持して発売したゼノブレイド3をいざプレイしてみたらまぁ面白い面白い。

1と2,それぞれで素晴らしかった点を踏襲しつつ、私があまり受け入れられなかったちょっとした不満点をまっさらにしてくれました。

 

まさかの7人同時バトル

ゼノブレイドの戦闘システムと言えば、3人編成のパーティー

1では戦闘に参加できるのは3人まで、2もそれぞれのブレイドが後ろに控えている状態でしたが、やっぱり3人でのバトルでした。

しかし3ではまさかの6人+ヒーロー枠1人の計7人パーティー

発売前は「そんなに大人数で戦ったらそれぞれが何をしているのか訳わからなくなるんじゃ…」と思っていましたが、案外そんなこともありませんでした。

 

ゼノブレイドシリーズの戦闘で重要になってくるものと言えば、ずばり“ヘイト管理”です。

タンク役のキャラが敵のヘイトを稼ぎ、アタッカーが背面や側面からアーツと呼ばれる技を打ち込む。

これがこのゲームの基本的な戦い方です。

 

7人もいたら誰が敵の目を惹きつけているのか分からなりそうなものですが、タンクキャラ以外にヘイトが向いていると分かりやすく赤いターゲットラインが出現します。

ちなみにちゃんとタンクキャラがヘイトを惹きつけているとターゲットラインが青くなる。

3で新規に導入されたこのシステムのおかげで、「今誰が敵に狙われてるんだっけ!?」と混乱することが無くなります。

このターゲットラインにはめちゃくちゃ助けられていますね。

 

また、7人も戦闘に参加しているおかげで、ゼノブレイドシリーズ恒例の煩さも倍増しています。

まぁそれがゼノブレイドシリーズの醍醐味でもあるんですが。

そして、パーティーメンバー全員ですべての戦闘に参加するからこそ、仲間に平等に愛着がわく。

1や2では3人までしか戦闘に参加できなかったので、どうして終盤は使いやすいメンツしか使わなくなってしまいます。

3のシステムでは全員参加だからこそキャラの使用度や愛情度が偏らなくなるわけです。

 

ケヴェスとアグヌス

3の舞台、アイオニオンは、1と2の世界が融合した世界です。

この世界では1由来の国家ケヴェスと2の由来の国家アグヌスが存在しており、互いの存亡をかけて戦っています。

2つの国家はそれぞれ別の女王を頂いており、その女王が兵の命を生み出していると考えられています。

 

この世界で生きている人間たちは、どんなに長生きでも10年しかこの世に生きられません。

敵の命を奪うことで瞳の中にある命の火時計が溜まり、その分長く生きることが出来ますが、逆に命の火時計が空になれば死んでしまう。そんな儚い世界なわけです。

 

 

だからこそ人々は少しでも生きながらえるために敵を殺す。

戦わなければ生きていけない厳しすぎるこの世界は、ゼノブレイド1や2にも引けを取らないくらいシリアスな世界観でした。

 

 

主人公となる6人はそれぞれケヴェス、アグヌスに所属する敵同士で、ウロボロスストーンという不思議な石をめぐる戦闘の場で初めて出会います。

敵同士として巡り合った6人は当然のように殺し合いをはじめ、お互いの命を奪うために武器を交え始める。

 

 

この後いろいろあって6人は自軍のコロニーから追われる存在となり、この世界で生き残るために協力して旅をすることになるのですが、敵同士で出会ったからこそ、彼らが旅の中で着々と絆を育んでいく様子を見守るのは感慨深いものがあるわけです。

 



“ゆりかご”から生まれる命たち

ケヴェス、アグヌス、どちらの国の兵士も、ゆりかごと呼ばれる装置から生み出されます。

生殖から生まれるわけではないため、彼らの中に性欲はおろか“恋”や“愛”といった概念はありません。

 

 

異性を意識することがない世界なので、お風呂も混浴です。

序盤でケヴェスのコロニーで男も女も同じ空間でお風呂に入っているシーンがあるのですが、最初はさすがにぎょっとしました。

特に何の説明もなかったので。

ただよく考えると、生殖という行為が発生するわけがない世界なので、性という概念すらないのでしょう。

 

 

成人の儀とおくりびと

最長でも10年しか生きられない、と先述しましたが、実際には10年生き残ることが出来る兵はほんの一握り。

ほとんどは10年、つまり成人を迎える前に戦場で死んでしまいます。

あまりにも“死”というものが近いこの世界では、“おくりびと”と呼ばれる立場の人間がいます。

笛を使って旋律を奏で、戦闘で死んでしまった兵士を弔うのがおくりびとの役目。

おくりびとが“おくりの旋律”を奏でると、死んでしまった兵の骸から“命の粒子”と呼ばれる光が発生し、その光は女王のもとへ還ると言われています。

ケヴェス側の主人公・ノアと、アグヌス側のヒロイン・ミオは、共に同じおくりびとです。

 

 

一方、無事10年を生き延びた兵は“成人の儀”という儀式を受けることになります。

成人の儀を迎えた命は、大勢のおくりびとにおくられ、女王の元へと還っていく。

この儀式を受けることは大変な名誉であり、生きている兵士たちはこの成人の儀を受けるため必死で10年という短い人生を生き抜こうとするわけです。

 

メビウスウロボロス

敵同士だったノアやミオたちが自軍のコロニーから追われる身となったきっかけを作ったのは、メビウスと呼ばれる存在です。

“ゼット”を中心に構成されるメビウスたちは、ケヴェス、アグヌスの執政官として各コロニーを支配しています。

10年しか生きられない世界を作ったのも彼らで、二軍の兵たちをわざと戦わせることで犠牲になっていく命たちを糧としているのです。

 

 

ノアたちは、ケヴェスでもアグヌスでもない人間、ゲルニカによって持ち込まれたウロボロスストーンによって、ウロボロスの力を得ます。

ノアとミオ、ランツとセナ、ユーニとタイオンがそれぞれひとつとなることで、メビウスと同等の力を得ることが出来るのです。

3組とも、もともとは敵同士であるため最初から“仲がいい”とは言えません。

しかし、パートナーとして一緒に戦う中で、3組の絆は深まっていくことになります。

 

 

 

魅力的な登場人物

ノアとミオ

ケヴェスのおくりびと・ノアと、アグヌスのおくりびとミオ。

この二人は仲間内で一番最初にウロボロス化したコンビです。

彼らのインタリンクをきっかけに、6人は行動を共にすることになるのです。

 

 

同じおくりびとということもあり、人の死を一番身近に感じている2人は価値観も似ています。

そのせいか、行動を共にし始めて割とすぐに打ち解けていた印象です。

 

ノアはまっすぐで優しく、コロニーに所属していた頃からアグヌスと戦うことに懐疑的でした。

最初は甘い考えの子だなぁ、なんて印象だったんですが、実際今問題になっているロシアとウクライナの問題に照らし合わせてみると、「確かに指揮官はともかく現場で戦っている兵たちは戦いたくて戦ってるわけじゃないんだよなぁ…」と共感してしまいます。

ある意味、ノアは誰よりもまともな価値観を持っているのかもしれません。

 

 

一方のミオは、ノアと比べれば割と感情的な印象です。

敵に対しては感情を爆発させながら突っ込んでいくし、命を冒涜されたら怒鳴り散らす。

ただの大人しいヒロインの枠には収まらないタイプの女の子ですね。

彼女はすでに10期後半で、ストーリー序盤の段階であと3か月後に成人の儀を迎える予定です。

言い換えれば、残り3か月の命ということです。

 

 

一行の戦う理由の半分は、このミオの命を少しでも延ばすためでもあります。

このゼノブレイド3がミオを中心に回っている物語だといっても過言ではないのかもしれません。

まっすぐ前ばかり見て走っていくノアと、のこり3か月だけの命を抱えているミオ。

そんな二人のシーンで一番印象に残っているのは、お互いの“おくりびとの笛”を交換するシーン。

 

 

前向き正論ばかりを口にするノアに、不安を抱えたミオが珍しく感情をぶつけるシーンでもあります。

それまではぎこちなく足並みをそろえていた2人が、本当の意味でパートナーになれた瞬間のように思えます。

 

ランツとセナ

ケヴェスのディフェンダーであるランツと、アグヌスのアタッカーであるセナ。

2人とも力自慢であることが共通点であり、趣味が筋トレだということも同じですね。

2人のシーンを観察してみると、喜ぶポイントやがっかりするポイントがいつも同じで、性格面でもよく似ていることがわかります。

 

 

ランツには、ノアやユーニと同じ幼馴染であるヨランという仲間に命を助けてもらった過去があります。

ヨランが自分のせいで死んでしまったことをずーっと気にしていて、強くありたい自分と本当は弱い自分の間で葛藤しているようにも思えます。

そのせいでしょうか、彼は仲間を守るためなら自分の命も投げ捨てるような言動をなんども見せてきます。

ヨランによって生きながらえた命だからこそ、誰かを守るために使いたいと思っているのかもしれません。

 

 

一方のセナの性格は、一言で言うと「自分に自信が持てない女の子」です。

十分強いし努力家なのに、人の目を気にしすぎるがゆえにいつもどこか不安げ。

恐らく最初は“誰かに認められるため”に強くなろうとしていた彼女だったけれど、ランツとの出会いを経て“誰かを守るため”に強くなることを学んだのかもしれません。

同じように認められることに固執したシャナイアとの大きな違いは、ランツのような一緒に強くなろうと言い合える存在がいたかどうかなのでしょう。

 

 

この二人のシーンで一番印象に残っているシーンは、皆の輪から離れてお互いの弱さを吐露するシーン。

元々気が合っていた2人ではありますが、ランツは迷うことも戸惑うことも多く、セナは他の仲間たちと比べて芯が弱い。

そんな二人が互いに自分の弱いところを晒しあって、“命の使い方”について話したこのシーンは、後々この二人最大の見せ場であるとあるシーンへのエンジンになっています。

大事な人を守るためなら命すら投げ出せる。それがこの二人です。

 

ユーニとタイオン

ケヴェスのヒーラーであるユーニと、アグヌスの参謀役であるタイオンのコンビは、他の二組に比べて一番打ち解けるのに時間を要したコンビです。

というのもこの二人、性格も生き方も価値観も見事に真逆。

序盤は言い合いしてばかりの2人でしたが、ゆっくりと時間をかけて心の距離を縮めていきました。

 

 

ユーニはミオやセナと比べると口も悪く、ガサツな印象を受けるいわゆる不良少女。

一見強い女の子に見える彼女ですが、時折脳裏をよぎる自分が殺される記憶に怯える“繊細なタイプ”でもあります。

ただ、あまり弱いところを他人に見せたがらない性格で、恐怖を覚えていても必死で隠したり誰にも相談しなかったりと、強がりな一面もあります。

6人の中で、一番“死”というものに恐怖を抱いているのは間違いないでしょう。

 

 

一方のタイオンは、作戦立案課所属という立場上戦略を考えることに長けており、常に論理的な考えを忘れない、いわゆる“堅物”と言えるでしょう。

6人の中で一番仲間に心を開くのに時間を要しており、序盤は正論ばかりで嫌味な印象を受けるプレイヤーも多いでしょう。

その実、成人の儀が迫ったミオを気遣ったり、何かに怯えた様子を見せるユーニに寄り添ったりと、ぶっきらぼうながら大きな優しさを持っているキャラクターでもあります。

 


そんな二人のシーンで一番印象的だったのは、怯えるユーニにタイオンがハーブティーを差し出すシーンです。

それまで喧嘩ばかりで、とても“いいコンビ”とは言い難かった2人。

恐らくユーニも、そしてプレイヤーも、このシーンが入るまではタイオンに対して嫌味な奴という印象を抱いていたことでしょう。

しかし、言葉数少なくともユーニを気遣う様子を見せたタイオンのこの行動は、2人が本当の意味で“相方”になった瞬間だったのかもしれません。

 

 



おわりに

最初は敵同士だった6人が、インタリンクという絆を経て仲間になっていく。

やがて戦うしか生き方がなかったこの世界に疑問を抱き、本来の生き方を選び取るためにメビウスとの戦いに挑む6人。

戦うという選択肢しか与えられていない世界、という設定が改めて今の時代に響くなぁ、と。

 

1週目はノアたちの選んだ未来が明るいものだと確信しながら物語を進めていたので、正直あのEDには驚かされました。

10年以上生きられる世界になった、闘いしか選べない世界から解放された、と考えれば明るい未来なのかもしれませんが、6人がぶつかり合いながら絆を深めていった軌跡を見てきた身としては、正直複雑な終着点でした。

 

ノアは「いつか会いに行く」と手を振っていましたが、その言葉にモノリスソフトさんが深いメッセージを含ませているということに期待します。

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございます!